遺産争い

先日NHKの番組クローズアップ現代で近年遺産紛争が増えている問題を取り上げていました。


目に留まったのは、家庭裁判所に持ち込まれる紛争件数のうち、遺産額が5000万円を超える件数は横ばいであるのに対して、5000万円以下の件数が年々増えていることでした。


といいますのは、私自身、これまで相続税申告案件(最低5000万円を超える遺産がなければ申告義務は発生しない案件)を毎年させていただいていますが、遺産分割協議が整わず泥沼の争い(家庭裁判所行き)になったケースというのを経験したことがありません。(弁護士が中に入って整えたケースはあります)5000万円超の件数が増えていないデーターにはうなづけるのです。
運が良かったと言えばそうですが。


5000万円以下でももめる件数が増えている原因は、

現在は昔に比べ不動産価値が上がり、現金も1000万から3000万円くらい持っている親が増えている。
親(先祖)の家を守っていこうという意識が希薄?(故郷が無い相続人の増加)
成熟化した社会の中で相続財産は、唯一無二の財産を増やせるチャンス
などが考えられますが、
本当のところは、以前は、親の財産が少なかったので当てにしたくてもできなかったけど、今は親の財産を当てにできる豊かな時代になったということでしょうか。たとえ親の面倒を見てなくても、いざとなったら少しは欲しいというのが偽らざる気持ちではないでしょうか。


でも、ほんとうにもめると親戚づきあいが難しくなるので、誰かが辛抱して損の役回りを演じないとダメでしょうね。いちばん、自分に自信のある相続人が辛抱 ということが良いでしょうね。